アマゾン広報「違反レビューは非掲載または削除の対象になる」
アマゾンは、カスタマーレビューのガイドラインを定めている。その中に「禁止事項」があり、該当するコメントの掲載は削除の対象となりえると明記されている。
そこには「他人に不快感や嫌悪感を与える投稿」「商品と関連のない内容で、個人を誹謗中傷する表現又は悪意を含む内容や表現」などが含まれる。書籍であれば、仮に内容が購入者にとって期待外れであったのなら、それを批判するコメントを書き込んでも問題はない。だが作品とは別次元での筆者に対する個人攻撃、それも裏付けすらないのであれば商品に対するレビューの域を逸脱しており、削除対象と見られてもおかしくないはずだ。
また各レビューの欄には、「違反を報告」と書かれたリンクが付いている。ガイドラインに反している内容を別のユーザーが見つけたら、ここをクリックしてアマゾンに報告できる仕組みだ。実際、「#鶴橋安寧」に対する嫌がらせと思えるレビューを報告したとツイートした人も見られた。
悪意に満ちた個人攻撃のレビューに悩まされた人は、過去にもいた。経済評論家の勝間和代さんは、2011年10月20日付のブログで「以前から、amazonは匿名や複数アカウントで、買ってもいない本について、本の批評ではなく、著者の性格や品性を問題にするだけのレビュー、コメント、タグなどが相次ぎ、その対応に悩まされていました」と明かした。当時の勝間さんの新刊本に対して、見るに堪えかねるような表現、書評とは言えないレビューが続くとしてアマゾンに改善を訴えた。例えば「あの大学出身者は」とか「女だから」といった、本論と関係のない相手への人格・出自・性別・学歴などを根拠とした議論、また反証可能性のない問題の提示はルール違反とすべきと提案している。
それでも、レビュー欄には「勝間和代とは愚か者の代名詞だと思います」といった表現が今も残っている。違反報告がなければそのままになってしまうのかもしれない。
個人の誹謗中傷を含め「他人に不快感や嫌悪感を与える投稿」は禁止事項とうたっている以上、アマゾン側で積極的に取り締まらないのだろうか。J-CASTニュースはアマゾンに、いわゆる「ヘイトスピーチ」が禁止事項に当たるか、また明らかにガイドラインに抵触するレビューの場合は最初から掲載しないという判断は下さないのかを問い合わせた。同社広報部は、メールでこう回答を寄せた。
「Amazon.co.jpでは、健全なコミュニティを維持するためにレビューガイドラインを設けています。レビューガイドラインまたは当サイトの利用規約やその他のポリシー、ガイドラインに反するレビューおよびコメントにつきましては、非掲載または削除の対象となります」