朝日「記者有志」が「敵役」文春から「暴露本」 情報が社外へダダ漏れ、「組織としてもはや崩壊」

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特報部部長「おわび」方針にデスクと担当記者猛反発

朝日新聞はスキャンダルのたびに内部情報が漏洩することが問題化している
朝日新聞はスキャンダルのたびに内部情報が漏洩することが問題化している

   9月初旬には、検証記事に謝罪がなかったことを批判した池上彰氏のコラムの掲載を見合わせていたことが発覚。状況は厳しさを増した。「吉田調書」原稿を出稿した特別報道部(特報部)は続報で反論を試みたが、追加取材しても「命令違反」を裏付ける現場の声を盛り込むことができなかったことが響き、9月2日に行われた筆頭デスクの会議でも掲載は認められなかった。

   この「現場の声」抜きに記事が書かれたことについては、書籍でも「新聞記者がもっともやってはならないことだった」と厳しく批判している。

   これを受け、特報部の市川誠一部長(当時)は担当デスクと担当記者2人を呼び、「『吉田調書記事の誤報を認めておわびする』と伝えた」という。この判断は、3人にとっては到底受け入れられないものだった。PRCは3人にも聞き取りをしているが、「見解」にはこの言い分は反映されていなかった。

「だが3人は猛反発した、3人にとって担当の部長が自ら白旗をあげるのは『裏切り』以外の何ものでもなかった。3人は『誤報など認める必要はない』と繰り返し訴えた」

   9月に入ると社内のさまざまな部から人を集めた「検証班」が結成され、記事の内容を改めて点検したところ、「まるで足元の床が抜けるような事実」も明らかになった。9月11日に記者会見して取り消すことになった5月20日の第1報のほかに「特ダネ」として出稿した吉田調書関連の2本の記事は、すでに他紙が報じていたというのだ。

   この本の通りなら、吉田調書報道は「誤報」と「既報」の組み合わせだったことになり、その価値に改めて疑問符が付くことになりそうだ。

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