朝日「記者有志」が「敵役」文春から「暴露本」 情報が社外へダダ漏れ、「組織としてもはや崩壊」

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   いわゆる従軍慰安婦に関連する「吉田証言」や、東京電力福島第1原発をめぐる「吉田調書」の誤報で、朝日新聞を批判していた週刊誌の有力な「ネタ元」が朝日新聞社内からの情報提供だ。過去にも朝日新聞ではトラブルが起きると内情が外部に漏れるという事態を繰り返してきたが、今回の事件では「記者有志」が内情を書籍にまとめて出版するに至った。版元は、朝日新聞批判の急先鋒、週刊文春を発行している文芸春秋だ。

   著書では皮肉にも「情報漏洩は、通常、崩壊しつつある組織で起こる」と指摘しており、朝日新聞が「崩壊しつつある組織」だということをここでも裏付けている。

朝日の病巣は「イデオロギーではなく、官僚的な企業構造にこそ隠されている」

このほど出版された「朝日新聞 日本型組織の崩壊」(文春新書)。著者は「朝日新聞記者有志」だとされている
このほど出版された「朝日新聞 日本型組織の崩壊」(文春新書)。著者は「朝日新聞記者有志」だとされている

   書籍のタイトルは、「朝日新聞 日本型組織の崩壊」(文春新書)。2015年1月中旬に発売され、著者は「朝日新聞記者有志」だとされている。現役の朝日新聞社員複数名を中心に構成されているといい、著者プロフィールの欄には、

「社内での経歴、所属部署、『カースト』、政治的スタンスなどのバックグラウンドは全く異なるが、『朝日新聞社の病巣はイデオロギーではなく、官僚的な企業構造にこそ隠されている』という点では一致した意見をもつ」

とある。

   書籍では、朝日新聞の官僚的体質や権力闘争の解説に加え、吉田調書や吉田証言の誤報が生まれた経緯にも焦点を当てている。その内容は、大筋では14年11月に報道と人権委員会(PRC)が出した見解や14年12月に第三者委員会がまとめた報告とほぼ同じだが、書籍に盛り込まれた現場の声が生々しい。

   一連の問題では、14年5月20日に「吉田調書」の初報が掲載され、直後に批判が噴出。

   この問題が片付かないままに8月上旬に「吉田証言」が「虚偽」だったとする検証記事が掲載されたが、謝罪がなかったことで「火に油」となった。この検証記事は、「吉田調書」のチームにも相当な衝撃を与えたようだ。

「この記事が出ることは、社員のほとんどは事前に知らされておらず、驚愕した。吉田調書記事の取材班は、もっと驚いた。彼らの同僚によると、『なんでこんなタイミングでやるんだ!』と憤慨していたという」
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