駅伝のたすき「投げ渡しは失格」 厳しすぎる判定のように思えるが...

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「新・山の神」は失格した走者を気遣う

   愛知の1区は高校生、2区は中学生だった。日本陸連の話では、中高生の駅伝大会でも「たすきは手渡し」というルールが徹底されている。とは言え、1区走者は脱水症状でおそらくは正常な判断がつかない状態だった。2区の中学生も、まさかの事態にパニックとなって、「早くたすきをもらってスタートしなきゃ」と焦る気持ちが生じたのは想像に難くない。「規則は規則」だが、言わば極限状態に置かれた10代のふたりに冷静な判断を求めるのは酷とも言えそうだ。

   実は同じ愛知チームには、2015年1月2、3日に行われた箱根駅伝で青山学院大学の初優勝の立役者となった、神野大地選手が最終7区にエントリーしていた。箱根の山登り区間5区で独走し、「新・山の神」と言われたランナーだ。愛知のチームとしての記録は残らなかったが、複数の報道によると神野選手はレース後、失格となった1区の選手を気遣ったという。

   マラソン中継をはじめ陸上競技の解説で知られる金哲彦さんは1月19日、自身のフェイスブックで「たすき問題」に触れた。「中継所の審判員も『失格』の判断は辛かったと思います。ほんの少しなんだからなんとかしてあげたい」と、審判の心情を思いやった。だがテレビで中継され注目度の高い今大会で、ルールを曲げるわけにはいかなかったと続けた。この投稿に、レースを見ていたという多くの人が感想を寄せたが、「ルールは厳格に適用されるべきで、審判は正しい判断をした」との声が大半を占めた。また宗茂さんが「あれぐらいは、という気がする」と失格した走者に同情を寄せるコメントしたのが印象的だったとの声も出た。

   金さんは最後に、残念な結果に終わったランナーたちにこうエールを送った。

「失格になってしまった本人と愛知県の選手達にはしっかり立ち直って、これからの糧にして欲しいと思います」
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