マネックスグループは、スイスフランの急騰に伴い、外国為替証拠金(FX)取引を手がける顧客が被った損失に対する未回収金が2015年1月16日時点で約1億6000万円になったと、19日に発表した。傘下の米国とオーストラリアのFX会社2社とマネックス証券の顧客で、スイスフランに関わる取引の損失が膨らんだ。
未回収金の規模は、14年9月末で802億円の連結自己資本の約0.2%に相当。なお、日本国内の顧客分は百数十万円とされる。
今回のスイスフラン急騰に伴う日本の証券会社やFX会社の具体的な未回収金額が明らかになったのは初めて。今後、顧客から回収を進める方針で「業績や財政状態に与える影響は軽微」としている。
スイスフランの急騰は、スイス国立銀行(中央銀行)が1月15日に無制限の為替介入政策の終了を決定したことに伴うもので、英国に拠点を構えるFX会社が経営破たんするなど影響が広がっている。
国内でも、金融庁が17日までにFX会社の調査を開始。個人投資家の損失の実態を調べている。FX会社に預け入れた証拠金以上の損失がどれくらい出ているかなどの報告を求めている。