スーパーの商品に異物を混入したなどと称する動画を投稿し、逃亡していた東京都三鷹市の19歳少年が2015年1月18日朝、滋賀県内で身柄を確保され、建造物侵入の疑いで逮捕された。
今回の事件は、少年がYouTubeに動画を投稿し続けながら逃走するという異例の展開をたどった。その4日間の「逃亡生活」はどんなものだったのか。
「俺様は神様以上の存在だ」とつぶやくも...
2015年1月18日、午前6時過ぎ。名古屋駅を出発した電車に、黒のジャケットを着た少年の姿があった。YouTubeを通じて警察を挑発しながら逃亡を続ける、通称「つまようじ男」だ。
14日未明に投稿した「逃亡宣言」から、丸4日が経っていた。テレビは連日、その逃走劇を大々的に報じ続けている。そして今、彼は2日にわたって潜伏した東海圏から、JR東海道本線を利用し、西へ向かっていた。
電車に揺られながら、彼は1本の動画を投稿した。逃亡開始以来18本目、前日までに名古屋駅で撮影した恒例の「万引き動画」だった。そこには盗んだペットボトルのお茶を片手に、高揚した様子でつぶやく少年の声が収められていた。
「俺様は神様以上の存在だ」
公開から間もない7時30分ごろ、電車は滋賀県の米原駅に到着した。辺りは雪模様。このまま乗り続ければ、あと1時間30分で京都、2時間で大阪に着く予定だ。
しかし、彼の前に現れたのは、米原駅から乗り込んできた警察官たちだった。「神様以上」を自称した少年は抵抗することもなく身柄を確保され、4日間の逃亡生活は幕を閉じた。