ネットでは落胆の声
今回の発売延期に対し、期待が大きかっただけに中国のネット上では落胆の声が上がっている。延期の理由は明白でないが、「審査の段階で何らかの問題が生じた」との見方が一般的だ。ただ、外国企業にとって当局の『検閲』は中国での事業リスクの中の一つでしかなく、XBoxで先行するMSも審査で問題が生じたためか、予定日から数日遅れの発売となった経緯がある。
中国は家庭用ゲーム機を禁じてきたためオンラインゲームが主流であり、当局が許可したソフトしか流通しない可能性が大きく、家庭用ゲーム機の人気がどこまで高まるかは不透明だ。ただ、5億人ともいわれる中国のゲーム人口が「解禁によって拡大するのは確実」(業界関係者)とみられており、世界でヒットするPS4を待ち望むファンは少なくない。
スマホ不振で今期も巨額赤字が予想されるソニーにとって好調なゲーム事業は貴重な収益源だ。中国という巨大市場でPS4が普及すれば、ゲーム以外に映画や音楽などを楽しむ端末としても利用できるため、コンテンツビジネス展開の可能性も高まる。ソニー復活の切り札と期待されるPS4だが、中国での発売見通しは立っていない。業績不振にあえぐソニーだけにユーザー以上に発売日がいつになるか気にかかるところだろう。