アート雑誌創刊やアナログLP制作などが既に始動
「ブースター」は資金調達の対価に商品やサービスを提供する購入型で、パルコが寄せられたプロジェクトを審査し、通過したクリエーターが目標の調達金額、募集期間、対価の商品やサービスなどを設定する。期間内に目標金額に到達すればプロジェクトに着手でき、パルコも成功に向けてノウハウや情報を提供したり、宣伝や販売にも協力したりする。必要に応じて全国のパルコ店舗やギャラリー、ライブハウス、劇場といった施設も活用していく。
一方、期間内に目標金額に達しない場合は、プロジェクトは流れ、出資は実行されず出資者がリスクを負うことはない。
「ブースター」の対象になるプロジェクトはファッションやアート、音楽、出版、映像、演劇、食、アニメ、ゲーム、地場産業など多岐にわたる。2014年12月中旬からアート雑誌創刊やファッションブランドのニューヨーク進出、アナログLP制作といった6プロジェクトが既に始動し、サイト上で資金を募っているが、パルコは「この1年間で数十プロジェクトを手がけていきたい」(牧山社長)と意欲的だ。
ただ、注目されているとはいっても日本のCF市場は100億円ほどの規模しかない。振り込め詐欺などの「特殊詐欺」の舞台装置として悪用されることもある。パルコの取り組みが成功するかどうかは、CFの信用度が高まり市場規模がどこまで拡大するかにもかかっているといえそうだ。