パルコが若手クリエーターを支援しようとクラウドファンディング(CF)サービスに乗り出し、CFサイト「BOOSTER(ブースター)」をオープンした。ショッピングセンター事業者がCFサービスに乗り出すのは日本初といい、業界でも注目されている。
CFとはクラウド(群集)とファンディング(資金調達)を組み合わせた造語で、事業資金をインターネット上で不特定多数から幅広く調達する仕組み。
業界には「人材囲い込みのための先行投資に過ぎない」との見方も
出資に対する見返りの有無などに応じ、「寄付型」「購入型」「投資型」などがある。中小・ベンチャー企業、個人の資金調達手段という側面が強かったが、今では専門の仲介サイトが複数登場し、自治体や政治家なども活用し始めて注目されるようになった。
パルコはデザイナーやアーティストなど若手クリエーターの発掘、育成に熱心なことで知られ、「若い才能を応援したい」(パルコの牧山浩三社長)として「ブースター」をスタートさせた。一方、クリエーターにとっては資金調達に煩わされることなくプロジェクトを実行でき、出資者もパルコがバックにいることで不安なく出資できるといったメリットがある。
こうしたパルコの新たな取り組みに対し、業界には「人材囲い込みのための先行投資に過ぎない」との見方が強いのも確かだ。パルコは慈善団体でないため、「出店してもらうことは当然ありえる」との立場だ。