国際線「燃油サーチャージ」大幅引き下げ 円安でも黄金週間の海外旅行が増える?

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   原油価格の値下がりが続くなか、航空会社では相次いで国際線の「燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)」を引き下げ始めた。

   日本にとっては、円安と免税品目拡大で増加する訪日外国人に対してさらなるアピール材料となるのか。一方、これで黄金週間(ゴールデンウィーク)の日本人海外旅行者が増える可能性もある。

金融危機による原油価格急落で「ゼロ」になったことも

訪日外国人の数は2014年、大きく伸びた
訪日外国人の数は2014年、大きく伸びた

   全日本空輸(ANA)が2014年12月17日に改定した、2015年2月1日以降の国際線路線の燃油サーチャージ金額を見ると、日本と北米や欧州、中東、オセアニアを結ぶ路線では片道当たり2万1000円から1万4000円と7000円安くなる。2014年4月1日から半年間適用された同路線の燃油サーチャージは2万5000円だったことを考えると、1万円以上の減額だ。日本航空(JAL)も2015年1月9日、ANAと同様に改定を発表した。

   燃油サーチャージは、シンガポール市場の航空燃油価格の過去一定期間における平均値をもとに決定される。ANAによると今回の改定は、2014年10~11月の2か月間の平均が1バレル当たり99.07ドルとなったため実施された。2014年12月5日のロイター通信記事によれば、平均価格が1バレル=60ドル未満となれば、燃油サーチャージはゼロになるそうだ。

   原油価格は2014年12月以降も下落を続けており、米ニューヨークの原油先物市場では2015年1月に入って1バレル=50ドルを割り込んだ。この傾向が続いて燃油サーチャージに反映されれば、本当にゼロになるかもしれない。ロイター通信によると、2009年7~9月発券分で実際に燃油サーチャージがなくなったことがあった。金融危機による影響で原油・商品価格が急落したのが原因だったが、この時は長続きしなかった。

   利用者にとっては歓迎すべき事態だろう。海外から日本に来る旅行者や海外在住の日本人にとっては、円安効果も加わって心理的にも「日本行き」のハードルが下がるかもしれない。

   シンガポール在住の日本人女性がJ-CASTニュースの取材に応じた。日本-シンガポール路線は今回の改定でANA、JALともに燃油サーチャージが片道4000円下がるが「この金額で『日本に帰ろう』とはなりません」と話した。半面、「休暇の際は近隣の国を旅行していますが、もし『ゼロ』になったら子どもを連れて一家そろって一時帰国、という気になるかもしれません」という。

   米ワシントン州在住の女性は、減額はもちろん「ありがたい」と話す。女性の友人は3人の子どもがおり、今回の措置は喜んでいると付け加えた。北米路線はひとり当たり往復1万4000円の引き下げとなる。人数が多ければそれだけ大きな効果を実感するはずだ。

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