「小説信じてやってきてよかったと言いたい」
プロレスは一時存亡の危機とまで言われたが、ここ数年で大復活を遂げた。きっかけとなったのが12年1月に新日本プロレスがカードゲームなどを展開するブシロードGPの子会社になったことだ。プロレス復活を旗印にしたブシロードはテレビやCMにプロレスラーを出演させ、選手の写真を使ったカードゲームなどに露出を多くさせ、大会の広告も派手に打った。木谷高明社長(当時)は、
「選手のポテンシャルは高いし、潜在的なプロレスファンは多くいる。あとはいかに露出を増やしてその存在を知らしめるか。そうすれば自ずとプロレスは復活する」
などとJ-CASTニュースの取材に答えていた。今では新日本プロレスの試合はドーム会場が超満員となり、選手の入場曲がかかれば大声援が響く。若いファンやカップル客なども目立ち、時には半分以上が女性で、「プロレス女子」が会場を占拠する感さえある。
人気は他の団体にも波及しプロレス界全体を牽引するまでになっている。西さんは受賞記者会見で、客が来なくなった新日本プロレスの時代を知っているだけに、現在の盛り上がりが嬉しいと語った。14年1月の東京ドームは満員となり、棚橋選手が「プロレス信じてやってきてよかったです」との発言が印象的だった。これを文学界に当てはめられないだろうかと話した。プロレスラーたちが必死になって頑張って過去の栄光を取り戻したように、今でもすごい作家たちが全力で小説を書いている。
「絶対にまた(文学や小説)は盛り上がる。いつか、(棚橋選手のように)小説信じてやってきてよかったです、って言いたいんです」
と力説していた。