カジュアル衣料店の「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、中国の2か所の下請け工場で、月あたり約300時間の違法な長時間労働が行われていたことがわかり、うち1つの工場で生産計画を見直すと、2015年1月15日に発表した。中国のユニクロの下請け工場に潜入調査を行った香港のNGO団体SACOMらが同日、厚生労働省で記者会見を開き、調査結果を報告した。
ファーストリテイリングは、SACOMの報告書と自社独自の調査結果とのあいだに食い違う部分があるとしつつも、「いくつかの問題点について事実であることを確認いたしました」と、SACOMの指摘を一部認めた。
違法な長時間労働が明らかになったのは、中国広東省にある生地工場と縫製工場の2か所。14年7~11月の月あたりの平均的な労働時間は、両工場とも300時間前後に及んだ。時間外労働はともに、上限の月36時間を大幅に上回っていた。また、「罰金」によって労働者を管理していたという実態も明らかになった。
同社は「今後1か月以内に、第三者機関と連携し改善状況の確認を行います」として、労働時間労働時間を減らせるように縫製工場での生産計画を見直すなど、労働環境の改善策を示した。