経済学者も疑問投げかける
J-CASTニュースの取材に対し、厚生労働省の担当者は、同省にはマンガの内容に関する問い合わせや苦情はまだ届いていないという。「特定の価値観、一方に寄った主張は意図していない」とし、「若い人、不安を持つ人に、制度や状況を知ってもらうことが公開の目的」と説明した。当初の予定通り、財政検証の結果などを踏まえ、作中のセリフなど一部内容を差し替える予定だという。
マンガをめぐる盛り上がりは経済学者の目にも留まった。「公的年金制度は(中略)本来、個人や世代の差による損得を論じる性質のものではありません」という記述に、明治大准教授の飯田泰之さんはツイッターで「ある意味では『損得ではない』ともいえる(年金は長生き保険だから)。だけど保険にも損得(有利な保険不利な保険)という視点は必要不可欠なんだけどなぁ」と疑問を投げかける。
池田信夫さんは「『所得増や相続などを考えると、世代間格差は大きくない』というのが厚労省の見解。賦課方式は『同時代の助け合い』だから、もともと世代間格差という概念がない。若者は自分で反論を考えてみよう」と議論を呼びかけている。