政府は、2015年度の国内総生産(GDP)成長率を物価変動の影響を除いた実質ベースで1.5%程度、生活実感に近い名目で2.7%程度のプラスとする経済見通しを、2015年1月12日の閣議で了解した。消費税の再増税の延期や原油安に加えて、経済対策により0.3%程度の押し上げ効果を見込んでいる。
ただ、政策目標とする実質2%、名目3%には届かない見通し。
甘利明経済再生担当相は記者団に、15年度の日本経済について、「雇用や所得環境が引き続き改善し、原油価格の低下もあって、民需に支えられた景気回復が見込まれる」とした。15年度の名目GDPの金額は504兆9000億円と、リーマン・ショック前の07年度の513兆円以来、8年ぶりに500兆円台を回復すると予測した。
一方、2014年度の見通しは実質ベースで1.2%程度、名目3.3%程度から、実質がマイナス0.5%程度、名目が1.7%程度に下方修正する。リーマン・ショックの影響でマイナス成長となった09年度以来、5年ぶりのマイナス成長となる見通し。消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減や夏の天候不順、輸入物価などの物価上昇に家計の所得が追いついていないことが理由。政府予測の「甘さ」が浮き彫りとなった。