政府が検討する自由化を警戒していることが背景に
ガスコージェネレーション(熱電併給)や太陽稿発電などを活用し、省エネを極める運用を目指すという。「地域まるごと東邦ガス」の成功事例とさせたうえで、他地域にも展開させたい考えだ。
ガス大手3社が「総合エネルギー企業化」を急ぐ背景には、政府が検討する自由化を警戒しているからに他ならない。ガス事業は地方によっては公営も存在し、大手3社も各地で「お公家集団」とも揶揄される緩さが実態だ。ライバルと競い合うという経験をあまり積んでいないからだ。こうした中、社風が似てなくもない電力会社と戦うだけならまだしも、新規参入企業が大手3社の「導管」をできるだけ自由に使えるようにする制度設計を政府が検討しているおり、尻に火がついている。大手3社は「メンテナンスが必要な導管を開放すると供給不安が起きる」と必死のロビイングで導管分離撤回を目論むが、その行方は見通せない。