ガス大手3社、地域独占の終わり 水素ステーションや発電への対応急ぐ

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   東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス大手3社が、2017年に予定されるガス小売りの全面自由化を控え、「総合エネルギー企業」に向けた対応を急いでいる。

   地元の企業や家庭を相手にほぼ独占的に事業展開できた時代が終わると見られるためだ。政府は新規参入を促すため、各社がガスを輸送する「導管」と呼ばれるインフラを各社本体から分離する方策も検討している。その議論次第では経営に大きく影響することも、3社をそわそわさせている。

東京ガスが練馬区に商用水素ステーションを開所

「お公家集団」は「自由化」対応に必死(画像は東京ガスのホームページ)
「お公家集団」は「自由化」対応に必死(画像は東京ガスのホームページ)

   2014年12月18日、東京ガスは関東地方で初めての燃料電池車(FCV)向けの商用水素ステーションを、東京都練馬区に開所した。トヨタ自動車のFCV「MIRAI(ミライ)」が、12月15日に一般向けに発売されたのに合わせた。東京都内には「実証実験」中の水素ステーションは数カ所あるが、市販車が使える商用ステーションは、全国でも産業ガス大手の岩谷産業が手がける兵庫県尼崎市と北九州市の2カ所のみ。東京ガスは既存の天然ガススタンドと併設することで維持管理コストを低減。「究極のエコカー」と呼ばれるFCVの燃料供給拠点をいちはやく設けることで、他のエネルギー企業の先手を打った格好だ。「水素社会がいつ来るか分からないが、来てからでは遅い」(東京ガス幹部)と前のめりだ。

   東京ガスの取り組みはもちろん、水素ステーションだけではなく、電力事業の拡大もその一つだ。最近の話としては、神戸製鋼所が栃木県真岡市に建設を予定する、液化天然ガス(LNG)を燃料とする火力発電所の電力を全量買い取ることを決めた。2019年度の完成を目指しており、2機とも稼働すれば計120万キロワットに達する。

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