駐日フランス大使館も弔問受け付け
メラベさんに対しては、「自身の信仰を嘲笑した言論を守るために自身が犠牲となった」と厳しい見方をする人もいるが、イスラム教徒を含む人々が「JesuisAhmed(私はアハメド)」のハッシュタグをつけて追悼のツイートを行っている。
フランスの哲学者・ヴォルテールのものとされる言葉「私はあなたの意見には反対だが、それを主張する権利は命をかけて守る」を引用し、「彼こそがヴォルテールの後継者だ」と語る人もいる。
一方、一部では遺族の発言に違和感を覚える人もいたようで、「イスラム教徒がイスラム国を排除するって宣言&実行でもしないかぎり理解は得られない」という投稿も見られる。
また、「(遺族の発言は)広範囲でイスラム教徒に対する迫害が(テロをきっかけに)起きているという証左なんじゃなかろうか」と事態の深刻化を心配する人もいる。
さらに日本のネットでは、「言論の自由」を錦の御旗にあらゆるものを攻撃していいのか、というメディア批判、さらにはその反論として、「だからと言って人命を奪ってはならない」という議論も起きている。
事件の衝撃はフランスだけでなく欧州や中東に広がっており、11日午後、パリ中心部の共和国広場では160万人以上が参加するデモが行われた。フランスのオランド大統領やドイツのメルケル首相、イギリスのキャメロン首相、ヨルダンのアブドラ国王、イスラエルのネタニヤフ首相など各国首脳も参加、人種や宗教の違いを乗り越えて「言論の自由」を訴えた。
しかし、パリを訪れたモロッコのメズアール外相が弔意を示しながらデモ参加を見送るなど、イスラム諸国も一枚岩ではない。11日未明にはドイツ北部ハンブルクで事件のきっかけとなった風刺画を転載した地元紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」本社に何者かが放火する事件も発生した。また襲撃事件には国際組織の関与が報道され、容疑者グループの1人とされる女性の行方は12日夕現在つかめておらず、事態は未だ予断を許さない状況だ。
なお、東京の駐日フランス大使館では、フェイスブックで弔問を受け付けている。