「感動を禁じ得ません」「見識の高さですね」 パリ事件、警官遺族の訴えに日本のネットで称賛の声

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   パリの新聞社「シャルリー・エブド」襲撃事件で犠牲となった警察官アフメド・メラベさんの遺族が2015年1月10日に会見した。メラベさんは、新聞社を襲撃した容疑者兄弟と同じアルジェリア系移民の家庭の出身で、敬虔なイスラム教徒だった。

   遺族は悲しみをこらえつつ、「イスラム教徒と過激主義者は違う」「どうか差別やイスラム嫌悪に向かわないでほしい」と訴えた。その冷静な発言には現地フランスだけでなく日本でも称賛の声が上がっている。

憎しみの連鎖を断ち切ろうとする姿勢

憎しみで悲しみは癒えない(画像はイメージ)
憎しみで悲しみは癒えない(画像はイメージ)

   メラベさんは7日、現場から逃走するサイド・クアシ、シェリフ・クアシ両容疑者に射殺された。8年ほど前から警察官として働いており、同僚の信頼もあつかった。勤務していたパリ11区の警察署には多くの人が献花に訪れている。

   メラベさんの遺族は「野蛮な行為に対して心が打ち砕かれた」と嘆きながらも、「自由、平等、博愛という価値を守ってくれたことを誇りに思う」とメラベさんをたたえた。

   さらに、

「過激派とイスラム教徒を混同してはいけません。モスクやユダヤ教の礼拝堂を焼いてはいけません。それは人々を攻撃するだけで、死者は戻ってこないし、遺族の悲しみを癒やすことはできないのです」

などと強く訴えた。

   フランスでは事件以降、モスク(イスラム礼拝堂)などイスラム教関連施設への「報復」とみられる襲撃が相次いでいる。7日夜に南部ポールラヌーヴェルの無人モスクに銃弾が撃ち込まれたのをはじめ、8日にも東部ヴィルフランシュシュルソーヌのモスクのそばにあるケバブ店で爆発があった。遺族の発言は新聞社襲撃事件だけでなく、その後に起きているこれらの事件をも踏まえたものと思われる。

   インターネット上に投稿された事件発生時の映像では新聞社の前で倒れるメラベさんに、追い打ちをかけるように両容疑者が発砲する様子が映っていた。家族を残酷な方法で殺害されながらも、憎しみの連鎖を断ち切ろうとする姿勢に日本のツイッターでは

「自分の身内が殺された後でこの言葉が出てくるのは凄いな...。」
「本当にその通りだと思います」
「遺族の方の見識の高さですね」
「殺害された警察官の家族の訴えに・・・感動を禁じ得ません」

と驚きの声が相次ぎ、多くが特定の人種やマイノリティーへの憎悪をもとにした犯罪「ヘイトクライム」の根絶を願った。

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