古川康前知事の辞職に伴う佐賀県知事選が2015年1月11日投開票され、JAグループ佐賀の政治団体「県農政協議会」が推薦する元総務省官僚・山口祥義(よしのり)氏(49)が、同県武雄市の前市長・樋渡(ひわたし)啓祐氏(45)(自民・公明推薦)ら無所属新人3人を破り、初当選した。
安倍政権が「改革派」と位置付けて全面支援する樋渡氏と地元農協を中心に擁立された山口氏が争う「保守分裂選挙」となった今回の選挙は安倍政権が成長戦略の一つに据える農協改革に影響を及ぼしそうだ。
自民党は農協改革に理解を示し、市長時代の武雄市図書館の民間運営でも全国的に知られた樋渡氏を党本部主導で推薦したが、これに反発した県農政協議会や自民党の一部県議、首長らが山口氏支援に回った。
佐賀県には九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働や、佐賀空港へのオスプレイ配備など難しい判断を迫られる問題も山積している。