動き出したアジアインフラ投資銀行構想 中国の国益第一になることを日米が懸念

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当初資本金500億ドルの半分を中国が拠出

   インフラ整備のための資金供給機関として、従来から世界銀行があり、その地域版として、アジアにはADBがある。先のADBの試算した資金需要は本来、ADB自身が担うところだが、ADBが域内に提供する資金は年間200億ドル程度で、とても追いつかない。そこで、AIIBの出番というわけで、法定資本金はADBの約6割の1000億ドル(約12兆円)を予定。当初資本金は500億ドル、その半分を中国が拠出するという。中国が4兆ドルに達する豊富な外貨準備を背景に支配する可能性が高いといえるだろう。

   中国はAIIBとは別に、東南アジアや中央アジアを取り込んだ経済圏「シルクロード経済ベルト」の構築を目指す「シルクロード基金」を創設して400億ドルを拠出する構想も打ち出しているほか、G20を利用してブラジル、ロシア、インド、南アフリカと新興5カ国(BRICS)首脳会議を開き、アジアに限らない世界の新興国、途上国のインフラ開発支援を目的とする「新開発銀行」(BRICS開発銀行、本部・上海)設立の方針を確認するなど、世界規模でのインフラ投資の取り込みを狙って積極的に動いている。

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