大井川鐵道、今年も人気のトーマス号運行 仲間のジェームス号登場にも注目

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   大井川鐵道(静岡県島田市)が2015年6~10月に蒸気機関車(SL)「きかんしゃトーマス号」を運行することを決めた。保有する実物のSLを英国の子供向けアニメ「きかんしゃトーマス」そっくりに改装して走らせる。14年夏も期間限定の運行で反響を呼んだだけに、今年も大きな話題となりそうだ。

   運行スケジュールは6月7日~10月12日の週末や夏休みを中心にした計74日間で、ダイヤは新金谷駅10時38分発~千頭11時51分着、千頭14時10分発~新金谷15時27分着の1日1往復。14年7~10月の計55日間の運行時には各車ともほぼ満席という人気となったため、今年は期間を拡大して昨年より38本多い148本を運行する。

先着順だった14年の方法を変え、抽選も採用

昨年走ったトーマス号 (C)2015 Gullane (Thomas) Limited.
昨年走ったトーマス号 (C)2015 Gullane (Thomas) Limited.

   さらに今年はトーマスの仲間で赤い車体が特徴の「ジェームス号」も登場する。ジェームスは7月11日~8月28日にかけての計16日間で1日1往復の32本で、このうち7月11、12日、8月27、28日はトーマス、ジェームスの両方が運転される。

   14年は予約開始直後に完売となったため、「先着順だった昨年から予約方法を変更する」(大井川鐵道)といい、座席数を超える予約が入った場合は抽選にする。予約受付は乗車日の125日(約4カ月)前の14時から翌日の13時までに大井川鐵道のメールフォームのみで行い、結果はメールで連絡するという。

   トーマス再登場とジェームス登場に対し、ネット上の反応は「乗りたい」「もっと運行して」「今年はジェームスも。行くしかない」など、期待の声が多くみられ、おおむね好評だ。

2011~2013年度の3期連続で赤字

   大井川鐵道といえば、SLの動態保存で知られ、レトロな駅舎などが残るため、映画やドラマ、テレビ番組などのロケ地としても人気を集めている。大井川に架かる鉄橋や茶畑などSLの撮影スポットに事欠かず、14年の運行時にはトーマスを撮影するファンの姿も見かけられた。車窓から沿線に広がるのどかな景色が楽しめるとあって多くの観光客を集めており、売上のほとんどを観光客に頼っている。

   ただ、2011年の東日本大震災のあおりを受けて観光客が減少。そこに2012年の関越自動車道の高速ツアーバス事故が追い討ちをかけた。事故を受けて運転手の1日の走行距離規制が強化されると、首都圏からの日帰り観光バスツアーが急減するなどして、2011~2013年度の3期連続で赤字となった。

   経営不振に陥った大井川鐵道では、14年春に普通電車の運行本数をほぼ半減させるなどして収支改善に乗り出した。一方で14年夏からのトーマス運行も観光客を呼び戻すためであり、「2014年度は300万円の黒字を見込む」(大井川鐵道)と期待する。当然、トーマス効果を他のSLに波及させて苦境を乗り切りたいところだが、赤字解消にどこまで効果があるかは不透明だ。

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