勘違いも少なくないようだが可能性はゼロではない
もっとも、歯や歯科材料の混入苦情は特段珍しいものというわけではないらしい。異物分析を行っている東洋産業(岡山県)は「しばしば検出される物質」だとして09年3月の月刊誌内で紹介している。
歯科材料のケースは「普段見慣れない形をしており、ぱっと見では分かりにくく、発見者の口内で外れたものであると推測されます」という。また歯については「お子さんの乳歯や虫歯でボロボロになった歯なども気づかれないまま、『食品に入っていた』と思いこまれる方も多いようです」と指摘している。
確かにこうした勘違いによる苦情は少なくないのかもしれない。とはいえ、製造・販売過程で歯や歯科材料が混入する可能性がゼロだと言いきることはできない。インターネット上でも、たとえば「有名パスタチェーンでニョッキを食べたら銀歯が出てきた。私は銀歯などなく、明らかに他人のものだった」といった報告があるように、信じがたい混入が起きているのも現実のようだ。
北海道の女性は「モーニングバード!」のインタビューに対し、歯が欠けたことはなく、詰め物もエナメルではないと説明したという。また「(混入していたものが)私の歯だって言うんだったら、歯医者さんに行って証明してあげてもいいよって(伝えた)」ともコメントしており、自身のものではないという大きな自信があるようだ。大阪府の女性も自身のブログで「もちろん、私のものではありません」と断言していた。
いずれのケースも混入経路の真相は藪の中だが、勘違いによる苦情とは言い切れず、マクドナルドへの風当たりは一層厳しくなりそうだ。