高速道で逆走車!そのとき、どうする 急ハンドル、急ブレーキはかえって危険

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   高速道路を逆走するクルマが増えている。2015年に入っても、北海道登別市の道央自動車道や新潟市の北陸自動車道、東京・板橋区を走る首都高速道路と、立て続けに3件の事故が発生した。

   そもそも一方通行の高速道路でなぜ「逆走」するのかという疑問はあるが、これだけ増えてくると深刻事態に遭遇しないと言い切れなくなってきた。そのとき、どうすればいいのだろう――。

逆走事案、毎年200件 高い致死率

「逆走車」に遭遇したら、どうすればいい?(画像はイメージ)
「逆走車」に遭遇したら、どうすればいい?(画像はイメージ)

   2015年1月7日午前0時半ごろ、東京・板橋区の首都高速5号池袋線で、上り車線を逆走した軽乗用車が大型トラックと正面衝突し、そのはずみで隣の車線に飛び出して、走ってきた大型トレーラーとも衝突した。

   軽乗用車を運転していた83歳の男性は死亡。警視庁は、高速道路への侵入経路など逆走した状況を調べているが、この事故の数分前にもタクシーの運転手から「逆走したクルマと接触事故を起こした」などと複数の通報が相次いでいた。

   1月5日には新潟市西蒲区の北陸自動車道上り線で、また2日朝には北海道登別市の道央自動車道で男が東日本高速道路(NEXCO東日本)のパトロール車両を盗んで逆走。約60キロメートル離れた苫小牧市で中央分離帯に乗り上げ、警察に身柄を確保されるという事故が起こった。

   こうした高速道路の逆走事故は年々増えている。日本自動車連盟(JAF)のJAF Channelによると、中日本高速道路(NEXCO中日本)管内だけで過去5年間(2007~2011年度)に発生した逆走事案の件数は毎年200件を超える。11年度の場合、逆走事案は219件発生し、そのうち5件が事故につながっている。

   一方、NEXCO東日本や中日本、西日本と首都高速などにドライバーなどから寄せられた逆走車の通報件数は、2013年に延べ1100件以上にのぼったとされる。

   事故に至るケースは、増えてきているとはいえまだ少ないようだが、なにしろ運転しているクルマ、逆走してくるクルマの双方が100キロメートル時近くのスピードを出ている高速道路上で起こることもあり、致死率(死亡事故に至る割合)が高いのが特徴でもある。

   万一、逆走車に遭遇してしまったら、どう対応すればいいのだろうか――。

逆走車の発生場所、インターチェンジ5割、本線上が4割

   日本自動車連盟(JAF)に聞くと、逆走車両だけでなく、落下物や故障車両など、さまざまなことが起きることを想定した「防御運転を心がけることが大事です」と話す。

   逆走にはいくつかのパターンがある。たとえば、逆走が発生する場所はインターチェンジが5割、高速道路の本線上が4割という。

   サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)から本線に戻る際に、本線の入り口と出口を間違えて本線を逆走するケース。また、インターチェンジで目的の出口を通過してしまったことに気づき、あわててUターンして逆走することもある。料金所では、入り口を通過した後で出口専用路に誤進入すれば逆走になる。高速道路の出口から、そのまま入ってきてしまうということもあるらしい。

   また、逆走車のドライバーは左車線を走っているつもりで追い越し車線を逆行してくることが多いという。

   JAFは、「逆走車を確認してから近づくまでの時間が極端に短いですし、大型車などによって前方の見通しが悪い場合などは逆走車が突然目の前に現われる可能性もありますから、とっさの判断が求められます」としながらも、「とにかく落ち着いて、自分の逃げるスペースを確認し、減速してからハンドルで回避しましょう。急ブレーキや急ハンドルは厳禁です」と説明する。

   スピンや転倒の危険性に加えて、同じように逆走車を避けようとするクルマなど周囲を走っているクルマと衝突する危険もあるからだ。

   とはいえ、とっさの判断で落ち着いた操作などできるものなのか、不安は残る。

   逆走車は追い越し車線を走ってくる場合が多い。「追い越し車線は、追い越し時のみに走行するという基本を心がける。同時にふだんから車間距離を多くとっていれば、逆走車を早く発見できますし、回避する余裕も生まれます」とアドバイスする。遭遇する確率を減らすことも重要だ。

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