芸能人には「仮面夫婦」が多いらしい。夫婦関係が破たんしているにもかかわらず離婚せずにおしどり夫婦を演じていたりする。こんな仮面夫婦を特集する番組が放送され、元フジテレビアナウンサーの有賀さつきさん(49)が自分も仮面夫婦だったと告白したところ、「子供がかわいそうだ」などといった批判に晒されることになった。
有賀さんは2003年3月に13歳年上の現フジテレビ報道局員 (62)と結婚し一女をもうけたが06年5月に離婚した。
「CMのために自分のイメージを守った」
有賀さんが出演したのは2015年1月6日放送の日本テレビ系「解決!ナイナイアンサー」で、タレントの田中律子さん(43)とともに仮面夫婦だった事を告白した。田中さんは1997年に5年の交際を経てカメラマンと結婚し、15年後に離婚した。「13年間仮面夫婦だった」という。原因は結婚一年後の長女の誕生で、それまでは出産に立ち会うなど夫婦仲はよかったのだが、夫から「女として見られなくなった」と伝えられたことだという。所属事務所に離婚の意思を伝えたが、良妻賢母のイメージのCM契約が次々と成立していたため「待った」がかかった。
「CMのために自分のイメージを守った」
と田中さんは明かした。子供との関係を大切にするため、学校の行事は必ず夫婦2人で出席し、おしどり夫婦を演じていた。離婚したのは子供から「ママ、離婚していいよ」と言われたためで、子供にはバレていたと田中さんは笑った。
一方、有賀さんの話は強烈で、仮面夫婦どころか「結婚はしていない」とまで言い出す始末だ。まず、元夫とは01年ごろから交際し、「水と油のような感じで自分のタイプではない」ということがわかり、別れ話を始めたのだが、その2日後に妊娠が発覚した。
「親としての責任をまっとうするため何がベストかを考え、刑務所に入るつもりで結婚しよう、という覚悟を持った」
結婚はしたのだが、つわりが酷いため臨月を迎えるまで実家で暮らした。結婚式もハネムーンもなく、元夫の親せきも知らないし、義母と会ったのは3回で合計3時間ほどだった、とも明かした。寝室も別で、「1人で寝るのが好きなので」と初めから1人で寝ていた。司会の岡村隆史さん(44)が「求めて来たりしなかったんですか?」と質問すると、見る見る表情が変わり、
「キモチ悪い事言わないで!」「私ここで吐いてもいいですか?」
などとキレ気味に反応していた。
結婚といっても子供を育てるための共同生活であり、子供がいなかったら自分は一生独身だったと語った。また、離婚を切り出された元夫は、想定外で非常に驚いていたのだそうだ。
「旦那は詐欺にあったようなもの」?
番組に出演していた柔道家の篠原信一さん(41)は苦言を呈した。有賀さんの話の内容では最初から夫婦生活など送る気など微塵もなかったとし、
「旦那さんは逆に詐欺にあったようなもの。大人の事情で子供を作って、子供がかわいそう」
と話した。それに対し有賀さんは、
「これ、放送じゃなかったら言いたいことごまんとある」
などと返していた。出演していたタレントの北斗晶さん(47)も、
「子供が聞いたら、なんか自分のせいで大好きな母親が人生を無駄にした、好きでもない人と結婚したのかな、我慢したのかなと思ったとしたら、ショックじゃないかな」
と指摘した。
ネットでも有賀さんへの疑問が出ていて、
「母親としておかしくねーか?子供が聞いたらどう思うよ」
「ベラベラ暴露されたら夫の立つ瀬も無いし 、子供だってそうとう落ち込むぞ。なんで自分の不幸エピソードをノリで喋ってんだ」
などといったものがある。
仮面夫婦という言葉は芸能人のCM収入が多くなった時から増えた
芸能評論家の肥留間正明さんもかなりのご立腹だ。別れた夫について言いたいことがあるのは分かるが、墓場まで持っていくような話の内容であり、それをひな壇芸人の前で話すなんて人間性を疑うどころか頭のネジが外れているとしか思えない、という。
「そこに子供が絡んでくるわけですから、これを聞いた子供の気持ちを考えるとね、最低だと思いますよ。もう一度自分の人生を見つめ直して考えたらいかがですか、と言いたい。フジテレビの凋落も、こうしたアナウンサーを抱えていたから、とまで思ってしまいますよ」
肥留間さんによれば芸能界での仮面夫婦は多いそうだ。仮面夫婦という言葉自体は30年くらい前からあり、芸能人のCM収入が多くなって来たころから増えだした。事務所もCM収入を当てにしているため、離婚などについては所属タレントにストップをかける。これは結婚についても同じで、結婚をしたくてもできないタレントも増えているのだそうだ。