「天璋院篤姫」「櫂」などの作品で知られる作家・宮尾登美子(みやお・とみこ)さんが2014年12月30日、老衰のため亡くなった。88歳だった。
1926年高知市生まれ。46年の満州引き揚げ後、保育所などで働きながら執筆活動を続け、62年に「連」で婦人公論の女流新人賞を受賞する。73年には「櫂」で太宰治賞、79年には「一絃の琴」で直木賞を立て続けに受賞し、一躍知名度を上げた。
宮尾さんの描いた時代に翻弄されながらも強く、凛々しく生き抜く女性像が多くの人々の共感を集めた。
「寒椿」「鬼龍院花子の生涯」など数多くの作品が舞台、映像化。2005年には「宮尾本 平家物語」「義経」を原作とする大河ドラマ「義経」、08年には「天璋院篤姫」を原作とする大河ドラマ「篤姫」が放送された。09年には文化功労者に選ばれている。