トヨタ自動車は、燃料電池(FCV)に関する約5680件の特許を、自動車メーカーや部品メーカーなどに対して無償でライセンスする。米家電見本市「国際CES」開幕を前にラスベガスで開いた2015年1月5日の発表会で説明した。特許を無償提供することで、FCVの生産や水素ステーションの設置を後押し。それにより、FCVの普及に向けた環境整備を進めることを狙っている。
対象となるのは燃料電池に関する特許約1970件や、燃料電池を制御するシステムに関する特許約3350件など。いずれもトヨタが単独で保有している特許で、FCVに関するものは2020年までの期限付きで開放される。
水素の生産や供給に関する特許には開放期限は設けられない。
トヨタは14年12月、世界初のFCV「MIRAI(ミライ)」を一般向けに発売したばかり。特許の無償提供には、FCVの規格でトヨタ方式を浸透させることで、市場での主導権を握る思惑もありそう、との見方もある。