SSの半数近くが赤字経営
レギュラーガソリンが石油元売り各社共通の規格品で、基本性能が同じであるのに対して、「ハイオクは元売り各社によって添加剤や調整が創意工夫され、燃費や加速性能が異なっている」(石油元売り関係者)という。ハイオクに関しては、これまでJXとシェルが新商品の開発競争をリードしてきた。出光が昭和シェルの子会社化で、どんな商品戦略をとるのか注目される。
現在、日本国内には石油元売り系列が8グループ、石油精製会社が13社ある。製油所はピーク時の1983年には49か所あったが、供給過剰のため2014年には23か所まで事業再編が進んだ。出光が昭和シェルを子会社化すれば、売上高は約8兆円となり、首位のJXHDの約12兆円に迫るが、石油業界の未来は安泰とは言えない。
経済産業省によると、石油市場はハイブリッドカーの普及などで需要が減少し、2018年度は2014年度に比べて石油製品の国内需要は7.8%減少する見通しだ。石油元売り各社は供給過剰な製油所を閉鎖、1994年度のピーク時には全国に6万か所あったSSは2013年度末に3万4000か所に減少した。全国石油商業組合連合会によると、「国内のガソリンは慢性的な供給過剰状態で、SS間の熾烈な販売競争が常態化しており、全体の半数近くが赤字経営だ」という。全国に出光のSSは3762店、昭和シェルのSSは3377店。再編後、この数が減ることはあっても、増えることはないだろう。