体調不良を理由に無期限活動休止中だった中森明菜さん(49)が2014年大みそかのNHK紅白歌合戦で、約4年5か月ぶりに公に姿を見せた。米ニューヨークのレコーディングスタジオから生中継で出演し、力強い歌声を披露した。
歌唱前のトークの様子などから体調を心配する声も少なくなかったが、長年のファンには「完全復活」への道が見えたようだ。
「みなさんに少しでも温かさが届けばいいなと、、思います」
ストレスによる免疫力低下を理由に、2010年から芸能活動を無期限で休止していた中森さん。以降、NHKは毎年のように紅白への出演交渉をしてきたそうだが、体調面の問題などからなかなか実現しなかった。
それが今回、企画枠での特別出演という形で生中継での出演が決定した。当日はレコーディングスタジオの暗い照明の下、黒の革ジャン姿で登場した。司会の吉高由里子さん(26)に「レコーディング中にお忙しいところありがとうございます」と呼びかけられると、緊張した面持ちで「こちらこそありがとうございます。ご無沙汰しております、中森明菜です」と何度もお辞儀しながら挨拶した。マイクの音量のせいもあり、その声はところどころ聞き取れないほどだった。
続けて「えーっと、日本も今、低気圧の、あの影響で、すごく、あのお天気が、あれで大変のようなんですが、こちらも、結構寒くて、、みなさんに少しでも温かさが届けばいいなと、、思います。歌わせていただきます、よろしくお願いいたします」と一気に話した。よほど緊張していたのか笑顔は硬いままで、目も泳いでいた。
ところが、新曲「Rojo-Teirra-(ロホ ティエラ)」のイントロが流れ始めると表情が一変。アップテンポにのりながら熱唱した。心配されていた高音もクリアし、歌唱中にはカメラに向かって斜めの視線を送る余裕も。歌い終わると「ありがとうございました」とささやき、はにかみながらブイサインを送った。
「復活」を待ちわびてきたファンは12年ぶりの紅白出演に沸いた。インターネット上には、
「愁いを帯びた若干ハスキーでパワフルなその歌声、全盛期に比べればパワーダウンは致し方無し。 だが十分心に響く歌声であった」「全盛期と比べずに今の中森明菜の歌う姿だけを見れば、充分雰囲気もあるしカッコいい。 この人は天性の歌手だね」
といった感想が続々と寄せられた。声量や声の伸びはともかく、オーラや歌声は全盛期のままとの指摘が目立つ。お笑いタレントの坂本ちゃん(48)もブログで「一瞬にしてそれまでの空気変えちゃうすごさ!温かい部屋で見てても体感温度ちょいと下がったわ~!(笑) なんだか良質の『ホラー映画』見てる感じも個人的にはしてた」などと綴っていた。
声の小ささは「ネタ」にされるほど
一方、放送中には、トーク時の小さすぎる声や硬い表情などから病気の影響を心配する声も上がっていた。だが、あるファンはツイッターで「全盛期の頃から明菜さまって歌前トークはあんな状態だったしね~ボソボソ声で、話す内容も要領得ない感じで、でも歌い出すと人が変わる、というのが中森明菜なんだから」と一蹴する。
もともと中森さんはあがり症だと言われている。トーク時の声の小ささは友近さん(41)のモノマネでもおなじみで、女装家のミッツ・マングローブさん(39)も31日のブログの中で「テレビのボリューム、60ぐらいに上げてもよく聞こえない喋り声。明菜だ。明菜だ。明菜だ」と語っていた。
実際の体調については、NHKの三溝敬志・制作局エンターテインメント番組部長が12月29日、「相当回復されていると聞いている」とコメントしていた。具体的な状態までは分からないものの、視聴者が心配していた点はさほど問題ではないのかもしれない。
今後については未定のようだが、15年1月9日にはNHKで特集番組「中森明菜 歌姫復活」が放送される。紅白生中継の舞台裏やレコーディング密着映像、中森さんが現在の心境を語るインタビュー映像などが紹介されるという。