家電製品の中で「ロボット掃除機」の需要が高まってきた。性能は年々向上しているという。家を空けている間に掃除が済めば、時間に追われる人たちにとってはありがたい。
海外メーカーが先行していたが、近年は国内勢も高機能の商品を投入して対抗する。メーカー間の「戦国時代」の様相だ。
障害物よけるセンサー発達、ダストボックス付きも
冬休みシーズンの東京都心の家電量販店。掃除機売り場には、ロボット掃除機の特設コーナーがあった。仕切りのあるスペースに2、3台が置かれ、リモコンを使って試しに操作ができるようだ。
ロボット掃除機の先駆者は、米アイロボット社。「ルンバ」の商品名で知られている。円盤型の親しみやすい形状で、部屋を自在に動き回って掃除する姿はちょっとしたマスコットのようだ。他社も同じ形をしたものが多いが、中には部屋の隅に接近しやすいように一部角のあるデザインの製品や、床に落ちた細かいほこりを吸着できるようにモップ状の繊維がついた製品も見られる。メーカーは米国企業に加え韓国LGといった海外組に対して、国内組は東芝やシャープといった大手、さらに中堅メーカーと複数が参入している。
別の量販店に行くと、ここでも売り場の目立つ場所にロボット掃除機のコーナーが設置されていた。店員に聞くと、売れ行きは好調だと明かす。価格面で多い商品群は5~6万円台で、自動清掃をした後に自ら充電場所に戻る「基本動作」をする。上位モデルになると8~10万円と金額面でやや高いが、「部屋の隅々まできれいにできる点では、こちらの製品の方が優れています」と勧めた。充電台とダストボックスがセットとなり、吸い上げて掃除機内にためたゴミを台に戻った際に自動的にボックスに送る仕組みも、一部製品に取り入れられている。
購入層は単身者だけでなく、仕事で日中留守にしている夫婦の客が多いそうだ。平日にある程度掃除が完了していれば、休日に簡単に済ませるだけで清潔を保てる。その分自由時間が増えるのが利点になると考えて、商品を求めるのだという。近年は性能もアップし、部屋の中にある障害物を避けるセンサーが発達して行き届いた清掃ができるようになってきた。