「ベビーカーが邪魔」という書き込みは絶えない
ただ、協議会が指針を発表する以前から、ベビーカーに関する呼びかけは各社で実施していたのも事実だ。たとえば13年3月には、安全なベビーカー使用や、周囲の乗客への協力を呼びかけるキャンペーンが関東の電鉄各社で行われた。また、親子を招待して安全使用を訴えるイベントも鉄道博物館などで定期的に開催されている。
そのため、新たに指針ができたからといって、すぐに使用する人と周囲の乗客の間で摩擦がなくなったわけではない。ある鉄道会社の担当者は「乗客同士でトラブルに発展した、という話はないが、ベビーカーに関する苦情や問い合わせがなくなったわけでは決してない」と話す。
ツイッターを見ても、
「電車内でベビーカーしぬほど邪魔だけどな」
「子供と喋ってるくらいならまず明らかに邪魔なベビーカー畳めよ。子連れだからって何でも許される訳じゃねーぞ」
などと使用者に向けた厳しい意見は毎日のように投稿されている。また、「ベビーカー使いたいけど電車邪魔になって迷惑かけそうで」といった使用を遠慮したという書き込みも少なくない。
協議会が公表した「とりまとめ」も、ベビーカーを折りたたむか否か、賛否両論あることに触れるなど、さまざまな意見があることを認めている。国交省担当者も「協議会で決まった内容は強制力のあるルールではなく、あくまで乗客への『お願い』」とする。実際のルール作りなどは事業者に任せざるをえない部分があり、指針の反応などを受け、今後も協議会は開催される予定だという。