2014年12月14日に投開票された第47回衆院選では、比例・小選挙区合わせて475議席を1191人の候補者で争った。候補者全体の39.9%しか当選できない計算だが、その中でも圧倒的な強さを見せたのが世襲の候補者だった。
「世襲候補」の定義は一様ではないが、比較的狭く定義すると、約1割が世襲候補だった。世襲候補のうち、3分の2が自民党からだ。比例復活を含めると世襲のうち9割近くが議席を確保しており、中でも自民党は議席を失った候補がいない「完勝状態」だ。改めて地盤(後援会)、看板(知名度)、カバン(資金)の「3バン」の強さを見せつけたことになる。
世襲候補の3分の2が自民党から出馬
一般的に「世襲」の範囲はあいまいだが、便宜的に「父母(養父母含む)、祖父母、義父母、義祖父母のいずれかに国会議員がいる人」を「世襲候補」と定義すると、今回の衆院選では126人がこの定義にあてはまった。内訳を見ると、自民85人、民主19人、維新9人といった具合で、世襲候補のうち67.5%を自民党が占めている。
126人のうち、比例復活を含むと当選したのは110人。世襲候補のうち86.5%が議席を手にしたことになる。
自民党の強さは圧倒的で、堀内詔子氏(山梨2区)、西銘恒三郎氏(沖縄4区)の2人が比例復活した以外は83人が小選挙区で当選。議席を失った人はいなかった。特に顕著なのが岐阜県で、5つある小選挙区のすべてを野田聖子氏(1区)ら自民党の世襲候補者が制し、「自民世襲王国」ぶりを見せつけた。
全体的には議席が伸び悩んだ民主党も、19人のうち7人が小選挙区で当選し、6人が比例で復活。世襲候補のうち68.4%が議席を得た。