パチンコ「冬のソナタ」でオバサンが大量に来たが定着しなかった
しかし、業界も客離れに対し手を拱いていたわけではない。若者を呼び戻し既存の客にも満足してもらおうと仕掛けたのが、アイドルやアニメ、ゲームなどのキャラや作品を使ったパチンコ・パチスロ台だ。「AKB48」の起用や、アニメファンなら誰でも知っている「化物語」「咲-Saki-」「魔法少女まどか☆マギカ」といった数多くの作品がパチンコ化された。ファンの間ではかなり話題になっていたが、
「既存の客は楽しんでいたようですが、若者などの新規客を呼べたかというと、あまり関係がなかった。若者にとってパチンコ店は敷居が高いんですよ」
昔は先輩が後輩を連れてきて教えたりしていたが、今はそれがない。アニメファンが一時来ていたのかも知れないが、パチンコファンとして定着していないという。こういったキャラクター物のマシンで新規客が増えたという記憶はない、と業界関係者は話す。唯一、韓流ドラマ「冬のソナタ」をモチーフにした「CRぱちんこ 冬のソナタ」を06年に設置した時には、ヨン様ファンのこれまでパチンコとは縁のなかったオバサン達が大量に入店し、驚いたことはあったが、結局そのオバサンたちもパチンコファンとして定着しなかったという。
ではこのままパチンコ業界はジリ貧に喘ぎ続けるのか、ということだが、業界は昨年から本気になって立て直しに向かっていると業界関係者は説明する。それだけ危機意識が高まっているからで、なにかと反発してきた遊技場経営団体とメーカー団体も協力していくことで話がまとまったという。それが13年8月に設立されたメーカーや遊技場の14団体が加盟する「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」で
「業界の復活をかけ、優しく楽しく遊べる遊技場を目指して協議を進めています。新しい展開がこれから続々と出てくることを期待しています」
と業界関係者は話している。