タカタ救済、ホンダが距離置き「豊田合成と経営統合」?
タカタがエアバッグの製造に乗り出したのは1987年12月。ホンダからの、「丈夫な織物を使用したエアバッグをつくれないか」との要請に応じた。そんな関係から、現在もタカタ製エアバックはホンダが多くを採用する。
ところが、エアバッグ事業で歩調を合わせていたはずのホンダが、タカタとの距離を置きはじめているらしい。
経済情報誌のFACTA(2015年1月号)によると、今回のリコール問題を機に両社の関係が悪化したと報じている。ホンダの伊東孝紳社長は「経営支援はする」と話しているが、それは表向きで、ホンダが「『タカタ悪玉』論を決定づけた」というのだ。
それに代わるのが、トヨタ自動車。FACTAは「タカタは(トヨタグループがエアバッグを手がける)豊田合成と経営統合するしかないだろう」と、トヨタ社内からの声として伝えている。
この計画が実行されるかは別にして、あっても不思議はないというのが業界の見方だ。 もっとも、トヨタ自動車は、「コメントのしようがありません」とだけ話し、現時点での救済の動きは否定する。
とはいえ、今回のリコール問題がタカタ1社だけで解決できるような規模ではなくなってきているのは確か。日産自動車カルロス・ゴーン社長も、12月20日付の産経新聞のインタビューで、「あまりに深刻な状況で業界全体の問題だ」と語っている。
かつて米国での大規模リコール問題で、5000億円ともいわれる修理費用や損害賠償などを払ったトヨタを旗振り役に、ホンダと日産が加わり、独立した第三者委員会を設置。原因究明に乗り出している。