セリフに「日本海」を入れるのは許せない 「金正恩暗殺映画」韓国で「場外戦」へ

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   北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺をテーマにした米ハリウッドのコメディー映画「ザ・インタビュー」(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント製作)の公開とネット配信が、2014年12月25日から米国で始まった。

   公開前は映画のテーマをめぐり同社に対して、GOPを名乗る集団によって大規模なサイバー攻撃が行われ、北朝鮮当局も非難していたが、公開後は作中に韓国をおとしめるような表現があったとして、韓国のインターネットユーザーから反発を受けているようだ。

映画の評価に最低点を付ける「評価テロ」

日本海の表現めぐり反発
日本海の表現めぐり反発

   映画の内容は、金正恩に独占インタビューを許された米国のトーク番組の司会者らが、米中央情報局(CIA)の指示で暗殺を試みるというもの。韓国ネットで物議を醸しているのは、主人公2人が北朝鮮からの脱出方法を議論する場面だ。

   韓国の経済ニュースサイト「マネートゥデイ」2014年12月27日付の記事によると、「Well、because it's across the Sea of Japan(日本海を渡って行くのだから)」というセリフが登場する部分が、韓国の主張する東海「East Sea」ではなく「Sea of Japan」(日本海)と表現されていることに、韓国ネットユーザーが腹を立てている。

   それだけではない。別の場面では「犬肉を食べない米国へ行くのが良いだろう」というセリフもあり、「あちこちに、わが民族を南北(韓国と北朝鮮)同時に差別する匂いが漂うセリフが多い。だから、かなり不快だった」といった書き込みも出ている。

   また、韓国のニュースサイト「アジアトゥデイ」によると、一部ユーザーはウェブ上で映画の評価に最低点である「1点」を付ける「評価テロ」を敢行。「日本海のセリフのところで、怒りが爆発する」、「日本海という表現を使った作品に点数を与えたくない」などの反応を見せているらしい。

   現在「ザ・インタビュー」は韓国で封切られていないが、ネット上には海賊版がかなり多く出回っているとの報道が出ている。「日本海」や「犬肉」に不満を持った韓国のネットユーザーは、何らかの方法で映画を見たのだろう。

キアヌ・リーブスが韓国人ギャング団に「三流のチンピラ」

   ハリウッド映画での描かれ方に、韓国の人々が文句を言うのはこれが初めてではない。2010年3月22日付のエンタメ情報サイト「スポーツ・ソウル」の記事では、韓国人を侮辱するかのようなセリフや場面のあったという作品を列挙している。

   2008年公開の「ストリート・キングス」で、警官に扮する米俳優キアヌ・リーブスが韓国人ギャング団を相手に言う、「顔付きは東洋人なのに白人の身なりに黒人の語り口」「君たちは不法な武器を使う三流のチンピラ」というセリフが韓国人々の反感を買ったようだ。

   1995年に公開された、ウイルス発生による感染症のパニックを描いた映画「アウトブレイク」の場合、「韓国を致命的ウイルスの震源地と描写して韓国観客の怒りを買った。劇中、米国全域を襲ったウイルスの宿主が猿で、この猿が乗っていた密輸船が『太極号』だった」と書かれている。「太極」を表す図は韓国の国旗に取り入れられており、いわば国のシンボルだ。

   同記事では、「ハリウッドの誤解と偏見、それを破ることができる方法を模索しなければならない」と締めくくっている。

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