株式相場は「日銀のETF購入」頼み 一喜一憂、リスクと背中合わせ

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日銀は「売却」めぐって難しい判断

   日銀はいつ、買いを入れてくるのか――。投資家は企業業績などの実体経済より、巨大な機関投資家である日銀の動向に注目し、振り回されている格好だ。だが、黒田東彦総裁は12月19日の記者会見で、ETFの買い入れが株価形成をゆがめている懸念について問われ、「リスクプレミアムの低下を促す観点から買い入れを行っており、価格に影響が出るのはまさに政策の効果だ」と前向きに評価し、むしろ歓迎している様子さえ見せた。

   日銀のバランスシートをみると、ETFを含む株式保有額は着実に膨らんでいる。2014年3月末時点のETFと個別株式の保有額は時価ベースで計約6兆1500億円。その後の買い増しや株価上昇によって保有額はさらに膨らんだとみられ、2014年中に日本生命保険を抜き、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に次ぐ「日本株の第2位の大株主」になるとみられている。

   しかし、中央銀行が価格変動リスクの高い株式やETFを買うのは、世界的に見ても異例の政策だ。将来、株価が下落し、通貨の番人である日銀が大きな損失を抱えれば、円の信認に関わる問題となるからだ。

   日銀が株式やETFをいつ、どのように売却するのかも課題となる。かつて銀行から買い入れた個別株の売却は現在、凍結されており、ETFの売却時期も未定。「大株主」とあって、保有株を売却すれば株価の急落を招く可能性もあり、売却の方法やタイミングをめぐって日銀は難しい判断を迫られる。2014年の株価上昇を演出した日銀のETF購入拡大は、リスクと背中合わせと言えそうだ。

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