株式相場は「日銀のETF購入」頼み 一喜一憂、リスクと背中合わせ

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   株式市場が日銀の動向を注視している。日銀が2014年10月末の追加緩和で ETF(上場投資信託)の購入拡大を決め、株式市場での存在感を増しているためだ。

   日銀が買い入れるかどうかで株価が大きく変動するとあって、投資家が日銀の動向に一喜一憂する状況が続いており、「市場の価格形成をゆがめている」との批判も強い。売却のタイミングや株価が下落した場合の損失リスクも頭の痛い問題となりそうだ。

11月は日銀に依存する形で株価が大きく上昇した

   日銀は白川方明・前総裁時代の2012年12月、ETFとJ-REIT(不動産投資信託)の買い入れを開始。黒田総裁のもとで2013年4月に導入した量的・質的緩和(異次元緩和)でも引き継がれ、今年10月末の電撃的な追加緩和では、ETFの買い入れペースを従来の年1兆円から年3兆円へ3倍に拡大した。日銀がリスクのある資産を率先して買い入れることで市場に安心感をもたらし、世の中に大量に供給されている資金が株式などへ回って経済が活性化することを狙っている。

   追加緩和後、初のETF買い入れとなった11月5日には、380億円と前回買い入れ(10月17日)の147億円の約2.5倍が購入された。それ以降も、午前中に株価が下がっている日に狙いを定めたように370億~380億円の買い入れが続いた。市場関係者の間では「株価が下がれば日銀が買ってくれる」と日銀に株価の下支え役を期待する見方が高まり、アナリストは「11月は日銀に依存する形で株価が大きく上昇した」と指摘する。

   ところが、12月10日は世界経済の先行き不透明感などから日経平均株価が一時、500円超も下落したにもかかわらず、日銀のETF買い入れはなかった。日銀は具体的な購入の基準を公表しておらず、株価が下がった日に買い入れを行うことを明示しているわけではないが、リスクに応じて上乗せされるリスク プレミアムの低下が狙いであるだけに「株価が大幅下落したこんな日こそ、買い入れを行うべきなのに」(国内証券)と落胆ムードが漂った。

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