おせちや贈答用など、年末年始にかけて「かまぼこ」を目にする機会が増えているからだろうか。
年の瀬のネットを舞台に「かまぼこ」関係者たちが熱い議論を交わして盛り上がっている。一連の流れをまとめたページなども登場している。
関係者から議論百出
きっかけとなったのは「元食品業界の者」と称する人が書いたブログだ。「なんでこの時期のかまぼこはこんなに高いの?便乗値上げなの?」という疑問に対し、この時期は通常の製品よりも素材や製法にこだわったかまぼこが出回るため、価格が高くなっているのだと主張した。
これに呼応したのが、かまぼこ業界の「現役」だというブロガー。「一年がかりで製造した蒲鉾(かまぼこ)を冷凍保存しておいて、年末に解凍されて出荷されます」と業界筋の話を披露し、業界外にいる一般読者から「俺はかまぼこについてあまりに無知だった」などと言わしめて、多くの人の興味を引いた。
しかし、これに噛みついたのが「かまぼこ屋の三男」と称する現在プログラマーの男性だ。年末年始に価格が上がることは「便乗値上げだからです」と断定。さらに「冷凍とかのたわごとについては、マジで意味が分からん」「冷凍設備よりも年末増産できる生産設備買う方が合理的と推測するだろ普通」と切って捨てた。
さらに「俺の意見が現役を代表するわけではない」と断りつつも「正真正銘の現役」という人物が議論に乗り込む。価格上昇について「そもそも値上がりしてないです」と否定。「年末にたまたま目にしたかまぼこの価格を見て『高い!』と事実誤認しているだけで、現役からすれば全くそんなことは無いと断言できます」と議論そのものを振り出しに戻してみせた。
各ブログの議論まとめたカレンダーが登場
けんけんがくがくの議論はかまぼこ関係者だけに留まらず、「はてなブックマーク」ユーザーを中心にネット上に拡散。論争の途中から参加した人のために、各ブログの主張や反論、公開日時などをまとめたカレンダーまで作成された。
個人商店と大手メーカーの製造過程の違い、完成するまでの仕組みや着色料について科学的な側面から記述したものなど、派生した話題が花開き、中には「私はかまぼこが嫌いだ」という、なぜ書いたのか分からないブログまで登場している。こうしてネット上に空前のかまぼこブームが訪れた。
とはいえ、激論続きに「なんかもう面倒くさいんでカマボコいらない」という声もちらほら出始めている。