東電は再値上げ見送り、関電は実施目指す 原発停止中で、2社がこれだけ違うのは

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「ユーザーの声に十分に耳を傾けてこなかった古い企業体質と戦っていく」

   東電の会長を務める数土氏はJFEホールディングス社長などを経て2014年4月、東電の会長に就任した。数土氏は旧川崎製鉄に入社後、NKKとの経営統合を推進し、JFEホールディングスを誕生させ、徹底した合理化で中国や韓国などとも戦える製鉄会社を築いた。2011年にはNHK経営委員長として受信料値下げを実現させるなど徹底した経営改革で知られる。

   その剛腕ぶりが政府に買われて東電会長に就任した数土氏は「この会社(東電)には、これまで原価計算、原価管理という考えが全く根付いていなかった」と漏らしており、「総括原価制度や地域独占に安住し、ユーザーの声に十分に耳を傾けてこなかった古い企業体質と戦っていく」と話している。

   その改革の成果が問われる中、東電が発表した2015年3月期の業績予想は、連結経常利益が2270億円、東電単体でも1790億円となり、いずれも前期から大幅な増益になる見通しとなった。電気料金の再値上げ見送りはユーザーにとって朗報だ。東電の再建計画は柏崎刈羽原発を再稼働させる前提だったが、原発なしでも目標を上回る黒字決算となり、政府・自民党にとっては何とも皮肉な結果とも言える。

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