香港の中心部・ワンチャイ地区で2014年12月24日、現金輸送車の後部ドアが突然開き積んであった現金のケース3個が路上に落ちて日本円で5億円余りの現金が散乱した。それを見たタクシー運転手などが車を止め路上の現金を奪いあう騒ぎになり道路は交通が止まった。
道行く人も奪い合いに参加し2億3000万円ほどが持ち去られたという。香港メディアは「大いなるクリスマスプレゼント」「夢のような光景だ」などと興奮気味に伝えたが、日本のネットではこのニュースに「日本なら無くなってもせいぜい1割くらいだろうな」「製造番号が付いているから持ち帰れない」と冷ややかで、羨ましいといった反応は少ない。
約50メートルに渡って「金銭の道」ができた
香港の新聞大手・東方日報の電子版などによると、こうした「珍事」が起こったのは14年12月24日の午後1時頃で、現金輸送車はクリスマス休暇に備えATM用の現金約1億元を12キロ先まで運んでいた。そのうち後部ドアから落ちたのは3つのケースに入った約3500万元で、ケースは路上に落ちると破裂し、約50メートルに渡って「金銭の道」ができた。札はテープで一括りにされていたがそのテープが破れてしまったものもあってお札が道路一面に広がったのだという。
この状況にまずタクシーの運転手が反応し車を止めてお札を拾いに行ったため交通が止まった。現金が落ちたことを知った現金輸送車から警備員が下りてきてあわててお札の回収を始め、お札を取られないように頑張ったものの努力は報われず、そこに歩道を歩いていた一般人も参加してお札を拾い、中には札束を抱きかかえて走り去る中年女性の姿もあったという。地元警察はお札の持ち去りは犯罪だから直ぐに返却するように呼びかけたが、返却されたのはごく僅かで、捜索を始めているものの最終的には1000万元が戻らないのではないかと報じられている。