世界各国を代表する女性たちが美を競う「ミス・ワールド」で、ビキニを着けての水着審査が廃止される。
主催団体の女性会長が、雑誌に決意を語っている。大会のコンセプトにそぐわないとの考えのようだ。1年前には、大会開催地で「ビキニ審査反対」との抗議も受けていた。
「ビキニ姿の女性が行き来する姿、見なくていい」
ミス・ワールドは英国・ロンドンで1951年に第1回コンテストが行われ、世界のミスコンテストの中で最も歴史が長い。2014年の大会は12月17日、南アフリカ代表の女性が選ばれ、幕を閉じた。
そのミス・ワールドから、2015年以降はビキニ姿の審査が消える。複数の欧米メディアが報じたが、中でも女性ファッション誌「エル」英語電子版が2014年12月15日付記事で、主催団体会長・ジュリア・モーリー氏の声を詳しく伝えている。今大会のリハーサルの席で、「本当に嫌。ビキニ姿の女性が行き来する姿なんて、見なくていい」と語ったという。「誰のお尻がほかの女性より2インチ(約5センチ)大きい、なんてどうでもいいこと。女性たちのお尻を見るのではなく、彼女たちが何を話すかに耳を傾けるのです」と続けた。外見だけでなく内面の美しさを注視すべきということだろう。
公式ウェブサイトには、ミス・ワールドのスローガンとして「目的のある美」と書かれている。「美貌のほかに知性や個性も選考の基準」というのだ。1か月と長期の大会期間中にさまざまな審査が行われ、20人の最終選抜者の中から栄冠に輝くのはたった1人。主催団体の「ミス・ワールド機構」(英国)は創設以来、2億5000万ポンド(約467億円)を恵まれない子どもたちへの寄付に当て、国際貢献や女性の地位向上に努めている。こうした高い志を共有していることも、ミス・ワールドを目指す女性には求められるようだ。
世界的なミスコンとしては、ほかに「ミス・ユニバース」が有名だ。米実業家ドナルド・トランプ氏の財団が出資しており、ビキニ審査が重要な要素のひとつを占めている。「エル」の記事によるとモーリー氏は、「(ビキニによる)『キュート』なイメージは私が(大会から)ぜひ排除したい」と明言している。
米ABCニュース電子版は12月18日、ミス・ワールド米国統括団体代表がビキニ審査廃止について「(ミス・ワールドは)単なるミスコンではなく、『目的のある美』のためのもの。ビキニ着用が目的のあるものとは思えないのです」と語ったと報じている。