トヨタは「予防的措置」のリコール
日本では、対象車の不具合は確認されていないが「絶対に安全」とも言い切れない。米国と日本で使っている部品は同じなのに、異なる対応をとるのも筋が通らない。このため米国と同じく回収を進め、原因の特定を急ぐことにした。回収費用は完成車メーカーが負担するが、タカタ製のエアバッグが原因だと判明した場合は、タカタにも費用負担を求めていくことになる。
この調査リコールとよく似た対応が、トヨタ自動車が12月4日に届け出た「予防的措置」のリコール。こちらは法律に添った正式リコールだが、原因は特定されていない。岐阜県内の工場で、解体時にエアバッグが異常破裂したため、安全を最優先に考えて回収に踏み切った。対象は助手席側のエアバッグで、「カローラ」など計19車種約18万5000台に及ぶ。この動きに、ホンダ、日産自動車、三菱自動車も追随し、計20車種約26万台を届け出ている。
エアバッグは、衝撃を感知し、火薬を爆発させて瞬時に膨らませる仕組みで、安全性の確認には、火薬に関する高度な専門知識や実験設備が必要だ。このため安全確認は「タカタ任せ」の側面が強かった。今後は部品が原因とみられる事案でも、完成車メーカー側が、より積極的に対応することが求められそうだ。