日本人が「年末大掃除」しなくなった 20~30代は半数以下に落ち込む

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   年末の「大掃除」事情が大きく変わりつつあり、掃除グッズを扱う日用品メーカーが対応に苦慮している。

   日本の家庭の恒例行事として定着してきた大掃除だが、実際に行っている世帯は半数程度に落ち込んでいるためだ。

共稼ぎの増加や年末まで仕事

せっかくの休みを掃除に使うのはもったいない(画像はイメージ)
せっかくの休みを掃除に使うのはもったいない(画像はイメージ)

   花王が行った調査によると、年末に大掃除をする世帯は2000年代半ばから急速に減少している。2005年は87%と大半を占めていたが、2012年はわずか56%。特に、若者世帯の大掃除実施率は低く、2005年には20代で89%、30代で85%だったのが、2012年はそれぞれ43%、47%と半数を切っている。

   こうした背景には、夫婦共稼ぎの世帯が増えているほか、年末ギリギリまで勤める人も多く、「せっかくの休みを掃除に使うのはもったいない」などの声が高まっていることがあるという。浴室用洗剤や掃除用シートなど掃除グッズの機能が高まり、普段からこまめに掃除をしていれば室内はそれほど汚れなくなっていることや、天ぷらなどの総菜を店舗で買う家庭が増え、大掃除の定番である換気扇が汚れにくくなるなど、ライフスタイルの変化も関係しているとみられる。

   そんな中、花王はこれまで数十年間、「今年の汚れ、今年のうちに」などと呼び掛けて展開してきた年末掃除キャンペーンを2014年から見直し、新たに「クリスマスクリーニング」をPRする方針に切り替えた。

メーカーは需要喚起に必死

   クリスマスのホームパーティなどを見据え、「お客様を気持ちよく迎えるためのクリスマスクリーニング」という新たな切り口で掃除提案をすることで、特に大掃除離れが激しい若者層の掃除需要を取り戻そうとの狙いだ。昨年、試験的に実施したところ、需要の掘り起こし効果が見込めるとして、今年はテレビCMや店頭などで本格的にPRを展開し、関連商品の販売増を目指している。

   低迷する大掃除需要を引き上げようという動きは、他のメーカーの間でもさまざまな形で広がっている。特に目立つのが、カラフルな掃除グッズの投入で若者や女性の「掃除心」をくすぐろうとの狙いだ。

   ユニ・チャームは、手軽にほこりなどが取れるハンディワイパー「ウェーブハンディワイパー」で、4色から好きな色を選べるカラー企画品を年末まで限定販売している。「少しでも楽しんで掃除してほしい」と掃除ムードの盛り上げを目指す。

   各社が必死なのは、大掃除をする世帯が減っているとはいえ、年間約1100億円とされる掃除グッズ市場のうち、2割弱が集中する12月は1年で最大の書き入れ時だから。ライオンなどはこの時期に掃除グッズをまとめ買いする傾向が強いとして、複数商品が入った格安パックを展開するなど、販売方法も工夫している。

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