「掲載しない判断は経営上の危機管理の観点からのものだ」
渡辺GEとオピニオン編集部は、
「これまでは慰安婦を巡る問題の議論だったのが言論の自由を巡る問題に変わってしまいフェーズが変わる、リベラルな知識人や読者からも批判されてしまう」
と反発したが、杉浦氏は、
「池上氏の連載が打切りになる可能性も踏まえたうえでのリスク判断だ、連載打切りのリスクよりもコラムを載せる方がリスクが高いと判断した、掲載しない判断は経営上の危機管理の観点からのものだ、2014年検証記事で謝罪しないという方針は社として決定したものだ、読売新聞が朝日新聞の慰安婦報道に関する連載を始めており、朝日新聞のブランド価値を著しく毀損するとして週刊文春の広告掲載も拒否した、社長の、逆風に負けず頑張るぞという言葉がホームページにアップされるタイミングであり、このタイミングで池上氏のコラムをこのまま掲載することはできない」
などと説明。これを受けて28日夕方に渡辺氏と担当者が池上氏に掲載見合わせについて説明したところ、池上氏からは連載打ち切りの申し入れがあった。朝日新聞側は話を持ち帰り、対応を検討している間に掲載見送りが週刊文春や週刊新潮に伝わり、朝日新聞への批判が加速。まさにオピニオン編集部が懸念していた結果になった。
9月11日の記者会見では、木村氏は、
「私は感想はもらしたが、編集担当の判断に委ねた」
と述べていた。さらに、杉浦氏が木村氏の意向を忖度した可能性については、木村氏が、
「忖度したことはないと、私は認識している」
と否定。杉浦氏も同様に忖度を否定した。記者会見での答弁と報告書の事実認定が大きく食い違っていることになる。