ランネット側「事前に主催者審査はしている」
事務所があるとされた東京都豊島区の住所は、バーチャルオフィス会社のものになっており、長崎県警サイトでは、送金詐欺に使われた住所に2007年現在で挙げられていたことも判明したからだ。
そこで、マラソン主催者の「黎明」に取材すると、代表の男性は、事務所のないバーチャルオフィスを使っていることを認めた。そこに電話すると、自身の携帯電話に転送される仕組みになっていたという。送金詐欺に使われた住所であることについては、過去のことではないかとした。
返金については、「協議中ですので、サイト上で随時更新します」と説明している。
平井運動公園を管理する「えどがわ環境財団」によると、主催者は10月末にマラソン大会をやりたいと連絡してきた。まず国交省に道路使用許可を取るように言ったが、その後は申請に来なかった。
国交省の荒川下流河川事務所小名木川出張所では、「こちらでは申請は受けていません。直前に財団から問い合わせがあって、大会のことを知りました」と言う。道路をマラソンに使うことについては、特に交通規制をするわけではないので、申請があれば基本的に受け付けるとしている。
主催者のエントリー代行をしたランネットを運営するアールビーズでは、取材に対し、事前に主催者審査はしており、過去にあった別の大会でも問題がなかったため、今回も代行したと説明した。大会中止騒ぎは前例がなく、想定外の事態だったともいう。
入金分約500万円のうち主催者に100万円ほど渡したものの、残りはまだ渡していないことを明らかにした。返金については、「主催者とその時期を含めて協議しており、うちを窓口にして全額返金する方向で調整しています」と答えた。
なお、報道によると、100万円は、給水用の水や旗などに使われたと主催者が説明したという。