「とにかく日本人は韓国人に対してひどいことをした」という学校教育
コラムでは朴氏が、戦時中日本に協力した事実は消せないとしてその名を人名辞典に載せなければならないと主張。半面、「歴史的評価は人生全体でされるものだ。一部分で親日行為があると言って人生全体が親日ではない」として、韓国独立後に朴氏が建国や近代化に貢献したのだから「彼は愛国者だ」と評した。
2014年9月7日付の朝鮮日報日本語電子版も、朴氏が韓国経済の発展をけん引した指導者である点を、政治学が専門の大学教授の言葉を引用して挙げた。独裁や人権弾圧、不正や腐敗の責任者という「負」の面もあるが、産業化や近代化を引っ張った功績は認めるべきだと強調している。
確かに朴氏は陸軍士官学校を卒業しており、また1965年の日韓基本条約締結を果たした。だが、拓殖大学教授の呉善花氏は、月刊誌「Voice」電子版2013年4月18日付の寄稿文の中でこう説明した。
「朴正煕大統領は16年ものあいだ政権を握り、いわば独裁主義を採ってきたのである。じつは韓国では、この時代にもっとも強烈な反日教育が行なわれていた」
続けて、「『とにかく日本人は韓国人に対してひどいことをした』ということを学校教育で徹底的に教えただけでなく、マスメディアも一貫してそのような報道を行なった」と解説。現在60歳前後の人はこうした教育を受けており、そこに娘の朴槿恵氏も含まれる。
事実であれば、戦前は「親日」だった朴氏だが大統領となってからは一気に「反日教育」を推し進めたわけだ。こうした点から、対日協力の過去は薄められているのかもしれない。そのうえ国家の経済発展に寄与しただけに、韓国内で今も高い評価が維持されているとも考えられそうだ。