原油安で日銀が窮地に 再び追加緩和に踏み切るのか

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日銀が行動を起こさなければ株価急落につながる恐れが

   しかし、原油価格の下落は10月末以降、一段と加速しており、市場では「日銀は再び追加緩和に踏み切らなければ、10月末の説明との整合性がとれない」(外資系証券)といった声が強まっている。日銀内でさえ「そもそも、日本経済にとってプラスになる原油安を理由に追加緩和を決めたこと自体が間違っている」とのボヤキが聞かれる。

   日銀は「戦力の逐次投入はしない」(黒田総裁)と言い続けてきた手前、物価の伸びが当面、鈍化し続けたとしても「10月末の追加緩和の効果を見極める」として静観する構え。日銀のある幹部は「来年の春闘で賃上げの動きが広がり、人々の懐が温かくなれば、物価は再び上昇ペースを加速する」と語り、春闘の成果に望みをつないでいる。

   だが、春までに物価の伸びが0%に近づいていくにもかかわらず、日銀が行動を起こさなければ「市場の追加緩和期待が裏切られ、株価急落などにつながる可能性がある」(大手証券)との懸念も出始めた。足元の物価と目標のかい離をどう説明し、市場の期待をつなぎ留めるのか。黒田総裁が苦しい説明を迫られる局面がしばらく続きそうだ。

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