チョ前副社長、証拠隠滅教唆と航空保安法違反ならば重刑が予想
一方、韓国の検察当局はチョ・ヒョンア前副社長や大韓航空に対して厳しい態度で臨んでいる。2014年12月19日付の中央日報日本語版は、検察がチョ前副社長の威力業務妨害などの容疑のほかに「大韓航空役員の組織的な証拠隠滅容疑についても集中捜査に着手した」と報じた。
事実の隠ぺいや証拠隠滅に関与した疑いのある大韓航空の客室担当の常務を参考人として召還して調査中に被疑者に切り替えた。
報道によると、チョ元副社長は容疑をすべて認めているわけではないと伝えられているが、チーフパーサーや乗務員らの陳述を通じて大韓航空による事実隠ぺいが明らかになり、チョ元副社長に対する証拠隠滅教唆容疑が固まりつつある。航空保安法違反の容疑が有罪となれば重刑が予想される、としている。
また、韓国・経済正義実践市民連合は「チョ前副社長が、公務である出張ではない私的な目的でもファーストクラスの航空券を数回にわたり無償で利用していた可能性がある」とし、検察当局へ業務上横領などの捜査を依頼したと12月18日に発表した。
ファーストクラスの無償利用が理事会の議決など合法な手続きを踏まずに履行していたとしたら、「これは会社へ不当に損害を与える行為となり、少数株主の立場から損害賠償請求が可能である」と強調した。
まだある。12月17日付のWoW!Koreaは、「韓国政府が『大韓航空』の社名から『大韓』を取ることを検討している」と報じた。チョ前副社長の暴言や事件隠ぺいなどが、海外メディアにも取り上げられたことで、韓国の「国格」を傷つけていると判断したという。
英語名が「KOREAN AIR」になっていることが、「国営」との誤解を招いているほか、ロゴマークも韓国国旗の「太極旗」をモチーフにしているため、変更を検討している。
そもそも同社は1962年に国営会社として設立。69年に韓進グループによって民営化された。「大韓」はナショナルフラッグを意味するが、国営の名残でもある。
インターネットでは、
「国民はもう『ナッツ航空』と呼んでいる」
「朴大統領が一言、『変えなさい』と言えばすぐに変わる」
「自ら社名を変えないのなら、国民は絶対に乗らない」
との声があるが、
「名前まで変える必要はない。そもそも、韓国が国際的に恥をかいたのはチョ副社長ではなくメディアのせいじゃない?」
と、擁護の声がないわけではない。