退職認めて処分できないのに懲戒処分の検討は続く
小保方氏をめぐっては、ネイチャー掲載の論文の画像に「改ざん」「捏造」といった研究不正行為が認定され、懲戒処分の対象になっている。論文に新たな疑義が生じたことで、処分の検討は進んでいなかったが、調査が進み次第懲戒委員会を再開する考え。「●●処分相当」という形で結論を出す予定だが、退職した職員を処分することはできないため、実効性はない。
そのため、会見では、懲戒処分が検討されている職員の退職届を受理することは「非常識」だという批判も出た。この点については、野依良治理事長のコメントで、
「このたび退職願が提出されましたが、これ以上の心の負担が増すことを懸念し、本人の意志を尊重することとしました」
などと説明されている。坪井裕理事も、「受理しないことの負担を考慮した」と話した。このような理由で退職届を受理している以上、一部で指摘されている詐欺罪での刑事告訴や、民事での損害賠償請求が行われる可能性はきわめて低いとみられる。小保方氏は任期制の職員で、退職金は出ない。