発売50周年のミツカン「味ぽん」ロングセラーの秘訣 消費者の好みに応じて成分を変化させる努力

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関東では思うように売れなかった

   先代の指示を受けてミツカンの商品開発者が各地の料亭に通い、ぽん酢の味の再現を目指して試行錯誤を繰り返し、何とか商品化にこぎつけた。はじめはさっぱりとした鍋物「水炊き」が根付いていた関西で売り出し、消費者からまずまず好評を得た。

   しかし、1967年に全国発売したものの、主要消費地の関東では思うように売れなかった。今と違って地域によって「鍋文化」が異なる時代。関西はあっさり系の水炊きにつける味ぽんが受け入れられたが、関東は鍋自体に味付けしたものが主流だったことが影響した。関東の営業担当者はスーパーに岐阜・多治見産の土鍋を景品として配布するなどして「水炊き」の良さをアピールして地道に普及を目指した。一方で、テレビCMでタレントの故・三波伸介らを起用して鍋料理での味ぽんの使い方を追求し、市民権を得ていった。

   水炊きが普及しても問題は、鍋料理がほぼ冬場に限定されあることだ。春を迎えると味ぽんが大量に返品されるケースも相次いだ。

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