発売50周年のミツカン「味ぽん」ロングセラーの秘訣 消費者の好みに応じて成分を変化させる努力

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   ミツカンの万能調味料にしてロングセラー「味ぽん」が2014年、発売50周年を迎えた。家庭用の「ぽん酢」という市場を事実上創出し、今もその国内シェアは6割超。根強い人気を誇る理由は、日本の食卓を変えた食べ方の提案のほか、消費者の好みに応じて成分を変化させるたゆまぬ努力にあった。

   「ぽん酢」という言葉の語源をご存じだろうか。ミツカンによると、オランダ語で柑橘果汁を指す「ポンス」(pons)なのだそうだ。柑橘果汁は鎖国中の江戸時代にオランダから長崎に伝わり、これに酢を入れて加工した調味料を「ぽん酢」と呼ぶようになったという。

当初は主に関西限定で店頭に並んだ

「日本の鍋」を支え続けて50年(画像はイメージ)
「日本の鍋」を支え続けて50年(画像はイメージ)

   ミツカンが50年前の1964年11月、今の「味ぽん」を発売した当時は、「ぽん酢<味つけ>」の商品名で主に関西限定で店頭に並んだ。柑橘果汁に醸造酢を加えたうえ、醤油で味付けしたこの新商品は、3年後の1967年秋に「味ぽん酢」との名前で全国発売されるにいたった。1979年に現在の「味ぽん」の商品名となる。

   ミツカンは江戸時代後期の1804年、現在の愛知県半田市で創業した超老舗の調味料製造業だ。創業者は、江戸で寿司が流行しているのに興味を持ち、「これからは寿司に使う酢の需要が高まる」と見て酢の製造販売を始めた起業家だった。その創業家の先代当主、7代目中埜又左工門(なかの・またざえもん)さんが、福岡県の料亭で取引先との会食で「博多水炊き」を食べた際に出てきたぽん酢のうまさにひかれたのが、「味ぽん」発売のきっかけだ。「家庭でも料亭のぽん酢のような鍋用調味料を味わって欲しい」と発売を思い立ったというのだ。

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